キモノ産地視察/十日町紬・明石縮の「新潟・十日町」を訪れる

キモノ産地視察では小千谷のほかに「十日町(とうかまち)」にも訪れています。JR飯山線の路線図では「十日町紬」が紹介されているように十日町は着物の産地です。周囲は山々に囲まれており、冬場は2~3mの積雪がある「特別豪雪地帯」に指定されております。十日町タクシーの運転手の方は「もう6月だけど、今も場所によっては残っているところがあるよ」と言ってました。

*十日町で織られた「明石縮(あかしちぢみ)」(写真/藤木屋F)

十日町は、十日町紬のほかにも「明石縮」を織っています。明石縮は絹織物の縮で、同日視察に行った小千谷縮は麻織物の縮です。明石縮は、麻の小千谷よりもお値段がはりますが、暑い季節に適した縮でありながら、絹のもつ光沢により上品さを兼ねそなえています。新潟なのに明石と名が付くのは諸説あるようで、ここ十日町の方が言うには、兵庫県明石出身の職人がここ十日町に渡り、広めた織物であるから、あるいは明石さんという方が作った織物であることからなど、その由来は様々です。

*JR飯山線の車内の路線図に、十日町紬のイラストが描かれています

視察中はアクセスの関係もあり、二泊三日の二泊とも十日町で過ごしました。新潟はキモノ産地であることながら、米の産地でもあります。宿泊した旅館の朝ご飯は、新潟産のコシヒカリでした。私普段は白飯のおかわりはしない方なのですが、やはり産地で食べるコシヒカリはまた格別に美味しく、おかわりをしました。新潟お越しの際は、是非お泊りの旅を^^(文/藤木屋K)

 

藤木屋、twitterはじめました。

実は新潟きもの産地視察初日から、密かにtwitterを開始していまして、昨日まで藤木屋コンビの「藤」の方でつぶやいていたのですが、明日からは私「木」のピン視察になるので、私木寺からのつぶやきで。事実上、初twitterです(笑)
藤木屋Twitter:https://twitter.com/fujikiya

 

小千谷縮・小千谷紬の着物産地「小千谷」を訪れる。

着物の産地視察のため、ただ今、藤木屋・藤本ともども新潟に来ております。今日・明日・明後日の三日間の中で、新潟の着物産地を出来る範囲でいくつか訪れる予定です。本日訪れたのは、夏の麻織物で有名な小千谷縮(おじやちぢみ)の「小千谷」です。日本一長い信濃川が小千谷にも流れており、田園もあり、のどかな印象を受けました。

小千谷は豪雪地帯でもあり、1階は駐車場、2階に入口といった構造の家も見かけました。実は、夏着物生地・小千谷縮にとって、この”雪”は非常に重要な要素であり、織った生地を雪の上に置いて(さらして)、雪が溶けるときのオゾンの漂白効果を利用して、染料の色を鮮やかにするようです(「雪さらし」の工程)。江戸時代から、雪さらしの工程はあるようで、どうやって発見したのでしょうね。

今回の視察で驚いたのですが、小千谷縮・小千谷紬という織物は知っていたのですが、一方は麻の織物、もう一方は絹織物。実は、この二つの織物、同じ機屋の同じ織機で織っています。僕は同じ小千谷でも、違う機屋で織っているのかと思っていました。

そして、残念なことなのですが、小千谷というのは、小千谷縮が麻織物として比較的ブランディングが成功している産地で、産地としてもそれなりに活気があると思ったのですが、やはり最盛期に比べると機屋も減り、今や十数軒しか残っていないようです。ただ、二、三十代の若い世代が、就職して一度は小千谷を離れたものの、また地元に戻ってきて、機屋を継ごうという動きがあるようです。後継者がいない、ということで無くなってしまいそうな産地もありますが、小千谷にはその心配が無さそうです。ただマーケットが縮小し続けてしまえば、危険信号が灯ります。着物業界、盛り上げていなければいけないですね。(文 / 木寺)

 

着物の産地、新潟に行く

現地現物をモットーとして、私木寺はこれまで仕事をして参りました。紳士スーツをこれまで長く扱ってきまして、イタリア、中国、日本の毛織物の産地を実際に回ってきました(会社員時代もポケットマネーで)。産地を見て、何が変わるかといえば、織元の職人の方から聞いた生の声と、織機のカシャンカシャンという音を聞いたことによって、その産地の織物を自信を持ってオススメできることです。

明日から、小千谷縮、十日町紬、塩沢紬、越後上布、片貝木綿などを擁する着物の産地・新潟に藤木屋として行って参ります。実は今回の新潟視察が、僕の人生にとって初新潟となります。新潟は、着物の産地のほかにも、燕三条などモノづくりが息づいています。今回の新潟視察がどういった形で繰り広げられるか、まだ分からないですが、新潟に足を踏み入れることによって、モノづくりの息づかいを感じることができれば幸いです。それでは行ってきます!(文/木寺)


*木寺手製による新潟視察のしおり。差支えの無い部分をば(笑)

 
 

男着物の話 / 浴衣をほどく

男の浴衣で、古着として汗ジミや破れのあるものとして安く販売されていたものを、着物の商品知識を深めるために、時間をかけて解(ほど)いてみました。私自身アパレルメーカー在職中に、商品解体と称して、某大手ミシンメーカー指導のもと、既製スーツをミシン目一つ一つひろって解いた経験があるのですが、今回もそれと同じ方法を着物でも試み、解いてみました。

*今回解いた浴衣。お役目御苦労さまでした。東袋か何かの素材として活用しようと思います

和裁というのが、どういう工程で縫われているのか、現在その知識が無いので、縫線が他の部分とかぶっていない袖から外して行きました。今回の浴衣は、手縫いではなく、和裁専用のミシンを使っていると思うのですが、縫い線の間隔も思いのほかあいており、解くのは、スーツのそれにくらべて楽だったように思います。着物は解いて、洗って、また使う(洗張り)という風習がここにうかがえます。

*解いている作業中の模様。左上に見えるのが袖の部分

今回の浴衣の商品解体を通して分かったことは、今まで述べた他に
・立体裁断では無く、平面裁断なので、生地にアイロンで変形が比較的加えられていない
・衿(エリ)の工程が着物の縫製に置いて一番複雑
・テープが一切使われておらず、芯地も衿の一箇所のみ
が挙げられます。手縫いとミシン縫い、また縫った職人によって、違いはあると思いますが、とても勉強になりました。あとちょうど半身残っているので、解くのが完了しだい。噂に聞く、「着物は解くと、ちょうど長方形の一反の生地になる」を確認してみようと思います。

*寸法もメモ。メジャーは鯨尺では無く、テーラーや紳士服販売員が好んで使うゼロ発進のトリコロールメジャー

なお、半身解くのに二時間半かかりました。以上(文/木寺)

 

東袋を作る。

着物の時、持つカバンにいつも迷っていました。男の場合、定番は合切袋(がっさいぶくろ)ですが、僕にはちょっと小さく、もう一回り大きいカバンを探しておりました。そんな時に、ちょうど社団法人江戸笑店東袋(あずまぶくろ)を作る講座が催されるとのことだったので、参加して、約三時間、一針一針縫ってまいりました。

上の写真は、東袋を縫っている時の様子です。長方形の二枚の布を縫い合わせて、袋にしていきます。下準備もしっかりされていており、非常に丁寧に教えていただきました。取っ手のところに、手ぬぐいを結び付ければ、ショルダーバックになるようです。次のお出かけの時に、是非活用してみようと思います。使い方など、今後ご紹介できれば。(文/藤木屋K)

 

男着物の話 / 半衿の付け方

着物の下には、襦袢(じゅばん)を着ますが、その襦袢の襟(えり)の部分には、半衿(はんえり)という生地をつけて、首から汚れを保護します。通常、半衿は手で縫い付けられており、汚れてきた段階で、一度ほどいて、洗って、また縫いつけます。男は特に、縫物が煩わしいと思う人が多いのですが、男きものは装飾が少ない分、この半衿にこだわると、ちょっと遊びがでてくるように思います。なので、ちょっとトライしてみてください。

さて、その手で縫い付ける半衿の付け方ですが、基本的には写真のようにザクザク縫ってよいと思います。この縫った部分は、着物(長着)に隠れて見えなくなってしまうため、白糸でも構いませんし、着物上級者の年配の女性の中には、「外からは見えなく、どうせ取り換えるから」という理由で、結構いい加減縫っている方が多いです。

男の半衿は、通常、無地の地味なものが多いですが、せっかく手間をかけて自分で縫い付けるんだから、自分の好きなように柄ものなど選んでも良いと私は考えています。生地も着物用でなくても構わないです。私の親戚の中には(女性ですが)、着られなくなったお気に入りのワンピースをほどいて、半衿に使って楽しんでいます。それだけ、着物は身近なものとして楽しんでも良いのではないでしょうか。(文/木寺)

 

【参考】男着物の話 / 半衿にこだわる。http://www.fujikiya-kimono.com/blog/?p=14

 

 
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藤木屋からのお知らせ
 
◆藤木屋の商品ラインナップ – 男着物&スーツ -
・デニム着物 9,000円+税〜(着物男子の定番がリーズナブルな価格で!)
・既製男着物&羽織 各9,000円+税〜(男着物を気軽にコーディネートできます)
・スーツ着物 45,000円+税(日本製・手縫)〜
・足袋 980円(税込,日本製)〜
・角帯 3,000円+税〜(日本製)
・オーダーメイド・スーツ 35,000円+税〜(日本製)
・オーダーメイド・シャツ 8,900+税〜(日本製) など
 
◆上野・藤木屋
東京都台東区東上野3-39-9 松竹ビル1F
TEL 03-5818-6881
営業時間
平 日 11:00-19:00
土日祝 11:00-18:00
定休日 月・火
*JR上野駅中央改札浅草口徒歩3分
*東京メトロ上野駅一番口徒歩1分

 
◆藤木屋のこれまでのメディア出演履歴/衣装協力その他

http://www.fujikiya-kimono.com/blog/?p=9329

 
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地下足袋/お洒落は足元から。そして軽快に


キモノ姿って、やっぱり歩きにくいです。いくら慣れようが、洋服に比べて、これは避けられない事実です。キモノは何だかんだ言って、ロング・スカート状態であり、袴(ハカマ)を履けば、運動性は増しますが、ただ袴を履くのはひどく面倒くさく、何より袴スタイルは、いかにも「THE・KIMONO」過ぎて、僕はあまり履きたくないです(茶会とかキメるときは、好んで履きますが)。袴を履かないキモノ姿を「着流し(きながし)」と言いますが、多くのキモノ男子も、この着流しスタイルの方が好きなようです。

そこで、キモノ姿を軽快に歩きやすくするべく提案したいのが「地下足袋(じかたび)を履くこと」です。キモノそのものの構造を変えることは私にはできません。せめて歩きにくい雪駄や下駄に手を加えるしかないです。私自身、実は浅草でも商売させて頂いておりまして、浅草にそこそこ訪れる機会が多いのですが、浅草に行く度に必ず見かけるのが、人力車。それで発見したのですが、人力車を引く方(車夫)が履いているのは、足袋を靴にしたもの履いています。これは地下足袋というもので、運動性があり、車夫の方は地下足袋を履いてダッシュしています。ちなみに車夫の他、鳶、お神輿を担ぐ方々も愛用しているので皆さまも見たことがあるはずです。さらに見た目も、写真をご覧いただければ、一目瞭然、キモノ姿にもマッチします。

なお、私は浅草の人力車で有名な時代屋さんの事務所で、この地下足袋を手に入れました。時代屋さんの事務所には附設のショップがあるので、どなたでも手に入れることができます。他にも、お祭り用品屋やネットショップなどでも取扱いがあるので、是非興味を持たれた方は試してみてください。地下足袋にもいろいろ種類がありますが、僕が愛用しているのは「エアー祭足袋 風神」。コハゼが7枚でちょいハイカット、エアークッションがかかと部分に入っており、履き心地は靴とほとんど同じ。そして一番魅力的なのは価格。定価がないのですが、3,4千円もあればご購入いただけます。(文/木寺)

 

男の着物 藤木屋 店舗 /上野・藤木屋

更新日:2022年5月4日

 
東京・上野の実店舗『上野・藤木屋』では、男着物&メンズ浴衣専門店として、インターネットでご紹介の商品のほかに既製品のメンズ着物や反物などバリエーション豊富に取り揃えております。すぐにお召しいただける既製メンズ浴衣は都内最大級の品揃えです。サイズも2S,S,M,L,LL,3L,4L,5Lの8サイズをラインナップしており、小柄な方から、長身の方、恰幅の良い方まで幅広く対応できます!!是非気軽にご来店くださいませ。また、上野店スタッフによる「オンライン接客(詳細)」も積極的に導入しておりますので、ぜひ気軽にご利用くださいませ。
 
 
◆上野藤木屋【常設店舗】
男着物&メンズ浴衣&レディース浴衣&甚平&作務衣&半纏専門店

東京都台東区東上野5-5-9
TEL 03-5830-6355
営業時間 11:00-19:00
定休日 毎週火曜日
*JR上野駅 入谷口 徒歩6分画像での道順
*東京メトロ銀座線 稲荷町駅 徒歩3分画像での道順

 

 

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男着物&メンズ浴衣、都内最大級の品揃え!!
甚平&作務衣やレディース浴衣もお取り扱いしております!
東京・上野の常設実店舗『藤木屋』にて好評発売中^_^/




 
 
◆藤木屋のこれまでのメディア出演履歴/衣装協力その他
藤木屋は男着物専門店として男着物やメンズ浴衣のラインナップに特化し、芸能人の方のテレビや映画、コンサート出演用の着物や浴衣の衣装を数多く担当しております。詳しくは下記URLのリンク先ページをご覧くださいませ。
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