男の作法 著:池波正太郎

日本人である以上、日本の着物が一番似合うわけですよ、本来は。和服を着て行けば、たとえぼくの場合、紋付といかないまでも、袴をつけて縫紋の羽織を着てきちんとして行けば、どこへ出ても、たとえ外国の国王に会ったっておかしくないし、また自分自身も引け目を感じないわけですよ。

 

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これは「鬼平犯科帳」「剣客商売」「仕掛人・藤枝梅安」の3大シリーズでご存知の方も多い、東京・浅草が産んだ文豪・池波正太郎さんが『男の作法(新潮文庫、注:文庫版)』にて、着物について書いた文章の引用です。

 

仕事や留学などで海外に行かれる方がよくおっしゃるのですが「僕のために着物が欲しいのだけど・・・」。私も海外に住んでいた経験があるので分かるのですが、海外に住むと、日本人というアイデンティティーを問われます。そこで一番簡単なのが、着る物です。民族衣装というのは、見て一発で分かるからです。

 

池波正太郎が言うように、確かにキモノを着ていれば、その国の要人にお会いする機会があっても臆することはありません。正直、無難なスーツというのは、見る人が見れば一発で、そのスーツの仕立てのレベルが分かってしまいます。僕はスーツの仕立屋にいた経験があるのですが、その時代に、そのスーツを着て、海外でご活躍の方々にお会いすることがあったのですが、自分がスーツにたずさわっていることを話さなくても、「そのスーツは・・・」と聞かれたりしました。デザインなどは一見普通な二つボタンの黒無地です。スーツは分かる人には、分かっちゃうのです。

 

そこで着物。特に男きものは、見抜く人がほとんどいません。女性の場合、着付けの仕方や柄行など、いろいろウルサイことを言う人がたくさんいると思うのですが、そういう方であっても、男きものに対しては寛容です。っというか、分からないのだと思います。以前、後染めの曽祖母の寝巻的な着物(?)を祖母に仕立て直してもらって、着ていたのですが(今も夏には、時々着ていますが)、呉服業界の方に、「それは塩沢紬ですか?」と言われてしましました。

 

そもそも塩沢紬は先染めの織物ですし、根本的に違います。塩沢とは、よほど私が上品に曽祖母の着物を着ていたのでしょうか。話がそれてしまいましたが、それほど男きもののハードルというのは低いです。着付けも女性に比べると、はるかに簡単です。一時間もあれば、基本的なところはマスターできます。

 

キモノは、まだまだ日常着には難しいと思います。パーティなどここぞというところにバッチリです。藤木屋はそういった皆様のお手伝いをさせていただこうと思います。男きものでお困りの際は、是非私どもご連絡くださいませ。

 

 

 

男の着物 藤木屋 / Fujikiya
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